パン屋さんで、パシパシを鳴らすと、気合が入る。
親愛なる君に

パン屋さんで、トレーをもった瞬間、パシパシって、
パンバサミを、鳴らすよね。
あれは、気を入れてるんだよね。
「よし、おいしいパンを買うぞ」っていう気合だね。
どんなささいなことをするにでも、気合は大事だ。
カラ打ちなんかしなくても、壊れてるわけないんだけどね、
見てみると、みんなやってるね。
あのパシパシで、テンションが上がってくるのがわかる。
相撲で立ち合いのときに、ほっぺたをたたくのと同じだ。
だからと言って、パン屋さんで、ほっぺたをたたいたら、
ちょっと不思議だ。
パシパシを持った瞬間から、
もはやさっきまでの自分ではない。
クラーク・ケントが、スーパーマンになるように
パシパシマンに、変身するのだ。

                        中谷彰宏拝
P.S.
今度一緒に、パシパシマンに変身しよう。