自分の断った役を誰がするかが、気になるよね。
(辻裕之監督)
親愛なる君に

『広島やくざ戦争』の辻裕之監督は、
自らも役者もされます。
チーフ助監督の山本英之さんも、役者も監督もされる人です。
山本さんは、達筆で、スケジュール表を見るだけでも、惚れ惚れします。
ある作品の編集をしているとき、辻さんと、山本さんが、
その作品とは、それぞれ別の脚本を一生懸命読んでいたそうです。
豪華メンバーで、一本の作品が作られているのです。
その作品に役者としてもオファーがきたとき、
ちょうど自分の監督作品の撮影中で、断らざるを得なかったそうです。
「いい役だったんですよ。
ただ、ショックだったのは、僕が泣き泣き断ったその役を、
(土平)ドンペイちゃんがやったことなんだよね。
同じキャラかな」
この話には、後日談があります。
この役にドンペイちゃんを推薦したのは、辻監督自身だった
……という話を、ドンペイちゃんに聞きました。

それにしても、今回の『やくざ戦争』という同じ作品の中で、
あんなに強烈なキャラのドンペイちゃんが、
別の役をどう演じわけるのか、楽しみです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
辻監督には、僕が監督をする時の作品にもぜひ出ていただきます。
ドンペイちゃんと、コンビの殺し屋の役で。