高校生が出てるけど、大人の話なんだよね。
(『バトル・ロワイアル』)
親愛なる君に

『バトル・ロワイアル』は『仁義なき戦い』の高校生版だった。
『仁義なき戦い』は、やくざ映画ではない。
その当時、古い組織の中で、
追い詰められていたサラリーマンの物語だった。
『バトル・ロワイアル』も、高校生の話ではない。
日本人全体の話なのだ。
この映画を上映禁止しようとする政治家は、
この映画が、子供のための映画だと勘違いしている。
登場人物が、イコール、見るべき観客ではないのだ。
そんなことをいったら、ディズニーランドは、
ねずみとアヒルだらけになってしまう。
さだまさしさんが、言っていた。
「今壊れているのは、子供じゃなくて、
大人なんじゃないかな」って。ホントだよね。
登場する女の子が、最初はリアルなんだけど、
どんどんかわいく見えてくる。
それは、その映画が面白いからだね。
柴咲コウちゃんも、栗山千明ちゃんも、怖くて、よかった。
死んだたけしさんが、携帯が鳴って起き上がるところが、いい味だった。

                        中谷彰宏拝
P.S.
『バトル・ロワイアル』の原作は、読んだ?