揺れる電車の中も、僕には仕事場。
親愛なる君に

「いつ原稿を書かれるんですか?」という質問をよくされます。
質問をする人は、「朝型」か、「夜型」という答えを期待している。
でも、「朝型」や、「夜型」では、間に合いません。
「いつも」というのが、正解です。
さらに、「どこでも」というのが、追加の答えです。
ワープロとパソコンの両方を使っていて、
移動の新幹線や飛行機の中では、
赤ペンで、ゲラの直しをしています。
飛行機は、まだ揺れが少ないのですが、
離着陸時にテーブルを出せないので、
意外にテーブルを出せる時間が短い。
それでも、ひざの上に硬めの物を置いて、その上で書いてます。
新幹線は、かなり揺れます。
一人個室はテーブルが大きくてよかったのですが、
利用者が少なくて、本数が減って使えません。
「のぞみ」は、さらに揺れます。
しかも、テーブルが中途半端に遠いのです。
書くときは、前傾になるので、
背もたれに背中をつけていると届かないのです。
読むよりも、書くほうが、はるかに疲労度が大きい。
新幹線内の夜の照明は、暗いので、
3時間、揺れる電車の中で書くと、かなり目が疲れます。
脚本家の花登匡さんは、新幹線の東京−大阪間で、
1時間のドラマを書き上げられたそうです。
僕は、花登匡さんが隣に座っているつもりで、
いつも書いています。

                        中谷彰宏拝
P.S.
今度、一緒に行こう。