僕にとっては、仕事は生活と同じ。
親愛なる君に

夜12時、打ち合わせの食事を終えると、
たいていこういう質問をされる。
「今日は、これからまだお仕事ですか?」
「もちろんです」と答えると、一様に驚いた顔をする。
「この人とは、たぶん仕事をしないな」と、そのとき僕は、考えている。
それが、深夜2時でも、早朝5時でも、同じだ。
別れたあとは、仕事だ。
僕自身は、仕事だなんてちっとも思っていない。
そういう質問をする人の言葉に置き換えると、「仕事」と言うだけのことだ。
まったく奇妙な質問だと、僕は感じる。
僕にとっては、本を書くことは、生活とまったく同じことなので、
「今日は、これからまだ、おしっこをするのですか?」
と聞かれているのと同じだからだ。

                        中谷彰宏拝
P.S.
どうせいつも仕事をしているのだから、いつでも遠慮なく、連絡してください。