子供の頃読んだ本で、一生が決まる。
(『モンテ・クリスト伯』)
親愛なる君に

内野聖陽さんの『モンテ・クリスト伯』を観てきた。
小学生時代の僕の三大愛読書のひとつだった。
僕の本では、『巌窟王』というタイトルだった。
あとの二つは、『小鹿物語』と『福沢諭吉』。
読書感想文は、毎年、この3作について、書いていた。
小学1年から6年まで。
感想は、毎年変わった。
大人になって、改めて、見直してみると、
凄い話だ。
凄い話を、小学生時代に、繰り返し読んでいたということに、驚いた。
子供時代に読んだ本で、その人の一生が決まる。
僕は、『モンテ・クリスト伯』を目指しているのかもしれない。
20歳で、無実の罪で投獄されて、14年。
牢獄の中で、ファリア司祭から、知恵と財産を手に入れる。
そして、自分を罪に陥れた3人に、10年かけて復讐する。
子供の頃は、その年月の重みを理解できなかった。
復讐をなし遂げるのは、44歳。
僕は、復讐をなし遂げる年齢に近づいている。
そう考えて見直してみると、
また読書感想文を書きたくなった。

                        中谷彰宏拝
P.S.
こんなお芝居だったと、もう一度、僕の話で再現してあげよう。