僕の親指には、早送りボタンがついている。
親愛なる君に

iモードでメールを送る親指の動きが、
猛烈に速い人がいる。
タイプライターになれていない日本人にとって、
親指一本で文字を打てるようになったって、凄いことだよね。
より速く打てるように、ケータイのキーの表面をカッターで切って、
ぎざぎざをつけている達人もいた。
アメリカ人にだって、指一本で、
キーボードを打っているプログラマーだっている。
僕は、親指・人差し指・中指の左右6本しか使っていない。
そのかわり、かなり速い。
僕が「親指族」なのは、ビデオのリモコンだ。
これは、プラインドタッチで、かなり使いこなしている。
消耗がはげしくて、リモコンが一番先に壊れる。
しかも、壊れるボタンは、決まっている。
「早送りボタン」だ。
「早送りボタン」は、リモコンを離れて、僕の親指に張りついてしまった。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君と早く会いたい時も、親指の「早送りボタン」を押してるよ。