表紙は、すべてを物語る。
(『想いは、かなう』)
親愛なる君に

いつも本のカバーの写真は、
かなりの数の写真の中から、時間と労力をかけて
選んでいます。
『想いは、かなう』(三笠書房)のカバーの写真の話になった。
「これは、想いがかなった写真ですね」と、
パープル・淺野君が、言った。
「ベッドの上に、ポカリスエットが、2本ありますね」
僕は、オードリー・ヘップバーンに似ているので、
この写真を選んだ。
まさか、日本の写真じゃないと思っていた。
見ると、確かに、昔のコカコーラの缶なら、もっと細い。
バーコードと、リサイクルマークまでついている。
大体、彼女が座っているのはベッドなのだろうか。
そういわれて見ると、
エッチをした後、お化粧を直しているところに見える。
それに、壁にある電話が、ラブホテルっぽくて、怪しい。
そんなことを考えていると、『想いは、かなう』という意味が、
深くなる。
本の表紙の絵は、すべてを物語る。
そこには、本のエッセンスがこめられている。
たとえ、それが偶然だったとしても。

                        中谷彰宏拝
P.S.
今度、君の推理を聞かせてね。