オーバーアクションではないのに、存在感があるのが本物。
(小木茂光さん)
親愛なる君に

『サトラレ』は、脇を固める大人が、いいドラマを作り出していた。
ドラマが、大人も見れるかどうかは、
脇役が、大人のドラマをできるかどうかだ。
僕は、小木茂光さんが好きだ。
顔を見れば、「ああ、あの人」と、きっとわかるはずだ。
『らせん』『催眠』『メッセンジャー』『スペーストラベラーズ』
『HERO』の最終回でも出ていた。
僕は、深夜番組『マエストロ』で、不思議な人がいるなと見たのが最初で、
野島伸司さんの『この世の果て』で、驚いた。
自分をだました女に復讐するために
刑務所を出てきた男の役が、圧倒的に迫力があった。
本筋を忘れさせるくらいの凄みだった。
「どこまで追いかけるつもり?」と聞かれて、こう答えた。
「この世の果て」
それが、タイトルだった。
タイトルのセリフを主人公に代わって言うのだから、
野島さんの思い入れも伝わってくる。
オーバーアクションではないのに、存在感を出せるのが本物ですね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
『この世の果て』を、一緒にビデオで見直そう。