新聞は、ニュース以外のところが面白い。
親愛なる君に

新聞の小さなコラムも好きだ。
むしろ、大きな記事よりも、小さなコラムのほうが好きだ。
日経新聞夕刊1面の「鐘」と「あすへの話題」を、
見出しの記事よりも先に読んでしまう。
「鐘」は、本の一行を取り上げ、そこから連想する話になっている。
動物の本から、プロ野球の話になったりするところが面白い。
本を読む楽しみは、それをもとに、会話が増えることだ。
その本の中身について、語らなくてもいい。
でも、それがきっかけで話ができるのがいい。
「あすへの話題」は、実は、今日あったことについての話ではない。
新聞のほとんどが、「今日あったこと」について書かれている中で、
僕が目を奪われるのは、「今日あったこと」以外のことだ。
たぶん、何日か前に書かれたもので、その日掲載されることなんか
意識されていないのに、「明日につながるヒント」になっていたりする
ところがいい。
古新聞のほうが、よっぽど新しいヒントがあったりするから面白い。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君が新聞を真剣に読んでるところも好きだよ。