本物が本気になると、夢という言葉がリアルになる。
(新・三国志U)
親愛なる君に

スーパー歌舞伎「新・三国志U 孔明篇」を見た。
「スーパー歌舞伎」しかも「三国志」しかも「孔明」という
3大お気に入りキーワードが入っているので、見ないわけにはいかない。
パートTにもまして、面白かった。
立ち回りが、京劇のメンバーを加えて、パワーアップした。
バクテンのスピードが、半端じゃなく速い。
前から4列目という、水がかかる席に座っているのに、
バクテンの音がしないのも凄い。
それくらい、軽いのだ。
武芸に秀でた女性役「武旦」という役柄も新鮮だった。
歌舞伎では、女性のアクションは、ほとんどない。

物語のキーワードは、たくさんあった。
メモしきれないので、台本を買うことにした。
「夢見る力」が、メッセージだ。
夢という言葉は、難しい。
よほど、世界を作り上げていないと、
浮いてしまう言葉だ。
ところが「新・三国志」を見ていると、
「夢」という言葉が、実にすんなり心に響いてくる。
それだけ、猿之助さんや右近さんという本物が、
本気でワールドを作り上げているのだ。
夢という言葉を、笑う人は、
本物の本気に触れたことがないのだ。
宙吊りや本水だけが、スーパー歌舞伎ではない。
本物の本気がここにある。

                        中谷彰宏拝
P.S.
初めて見た君が、感動してくれるのが、僕はうれしい。