ぶつかるのは、話したいというメッセージ。
(左足の中指)
親愛なる君に

考え事をしていて、左足の指を、椅子の角にぶつけた。
どの指をぶつけたのか、わからないくらい痛かった。
すぐ見ると怖いので、しばらくしてから見ると、
中指だった。
角にぶつけやすいのは、小指が多いのに、中指とは珍しかった。
紫色になっていた。
痛いはずなのに、僕はなんだかうれしかった。
こういうことでもなければ、左足の中指と話をする機会がなかったからだ。
どの指がぶつかったのかわからないくらい、
左足の中指と、しばらく話していなかった。
これは、左足の中指がさびしくて、わざとぶつかったのに違いない。
やってくれるね左足の中指。
そう考えると、痛いのが、逆に快感だった。

                        中谷彰宏拝
P.S.
話が足りない時は、いつでも言ってね。