強い人に弱さがあり、弱い人に強さがある。
(吉崎ひろとさん)
親愛なる君に

吉崎ひろとさん作・演出『以蔵のいちばん長い日』を観てきました。
吉崎さんとは、僕の一番最初のシリーズ「達人シリーズ」の編集者として、
ずっと一緒に本を作ってきました。
つかこうへいさんのもとで修行して、
とうとう演劇界の芥川賞である岸田戯曲賞の候補になりました。
僕の舞台の演出助手もしていただきました。
吉崎さんのドラマの味は、
「強い人の弱さ」と「弱い人の強さ」です。
「殺し屋にしては、優しすぎる」主人公と、
ダメ男君に惚れてしまった強い女の子のラブストーリーです。
この舞台は、初演も観たのに、
初めて観るように感動しました。
東風平千香さんの無邪気さが、男の情けなさを引きたてました。
情けをかけて刀を恵んでやった浪人に後ろから斬られた時の
二人の顔が、印象的だった。

                        中谷彰宏拝
P.S.
一度観たお芝居でも、もう一度観に行こう。