小さい劇場でしか味わえない熱気がある。
(新宿モリエール)
親愛なる君に

吉崎さんの舞台を観たとき、感慨深かったことがあります。
劇場が、僕が初めて役者として出た「新宿モリエール」だったことです。
30歳のときでした。
まだサラリーマンで、会社を抜け出して深夜まで、
吉祥寺の公民館で稽古をしていました。
モロ師岡さんや、だるま食堂さんや大河内浩さんたちと
楽しい経験をさせていただきました。
ポスターを描いてもらったのは、中尊寺ゆつこさんでした。
小さい劇場には、熱気があります。
お盆の猛暑の中、エアコンが壊れて、汗だくでした。
熱気ではなく、あまりの暑さに、倒れた観客もいました。
楽屋がひとつしかないので、男女も関係なく、着替えていました。
ホカ弁が、唯一の楽しみでした。
僕は、宮本武蔵の役とベトナム人医師・ドクターピータンの二役でした。
改めて感動したのは、劇場が記憶よりもはるかに小さかったことでした。
やっぱり、舞台と客席が近いところがいいね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
小劇場も、一緒に観に行こう。