生きてて良かった、と感じさせたい。
(お風呂で一句)
親愛なる君に

コムスン主催の「お風呂で一句」の審査員をしています。
僕が、選ぶ基準は、3つです。

1 そこに、「生きてて良かった」という幸せがあること。
2 いいかっこしない人間のドラマがあること。
3 「あっ」「えっ」「おっ」「ふーっ」「にやにや」が、隠されていること、

です。
けっして、上手かどうかではありません。

「フロはいりパンツはきかえわすれてた」(家村定博さん)

思わず、「あっ」という声が聞こえてきますね。
幸せで興奮したから忘れたんだなというのもわかるし、
気づいたあとの笑い声も、聞こえてきますね。
きっと、もう一度、入りなおしたでしょうね。
【パンツ賞】を認定しました。

「終戦日孫二人来て湯気の中」(丸山純平さん)

孫とお風呂に入れることこそ、平和の象徴ですね。
「戦争はいけない」とダイレクトに言うより、
生きてて良かったと感じる【平和賞】です。

「車椅子で行けるとこまで初紅葉」(杉田百花さん)

遠くへ行くことだけが、旅ではありません。
遠くへ行かなくても、発見があれば、それはもう旅なのですね。
「行けるとこまで」という【余裕賞】です。
きっと、いつもは曲がらない曲がり角まで行ってみたとき、
紅葉があったんでしょうね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君にも、「生きてて良かった」と感じさせたい。