混浴に、ドラマあり。
(お風呂で一句3)
親愛なる君に

俳句や短歌というと、
枯れた「わびさび」の世界ばかりを想像するかもしれないけど、
もっと色っぽく、もっと危なくても、いいのです。
高齢者の方の作った歌でも、
少年少女のように初々しいものもいいし、
ギラギラした情熱があってもいいのです。
あと少しだけ紹介しましょう。

「混浴が出来るが出来ぬ妻が先」(大島和男さん)

照れるのは、意識している証拠ですね。【恥じらい賞】

と、言いながら、入って来られるのを、待ってたりします。
すると、こうなる。

「混浴の妻との間に浮く浮き紅葉」(財津定行さん)

ちょっと、ドキッとしますね。【混浴賞】

「若妻の肩にひとひら紅葉の手」(宮田重春さん)

「若妻」は、意外に若いことを発見した奥さんのことですね。
紅葉の手は、触れたい自分の手の象徴ですね。
それとも、照れて隠してくる奥さんの手かな。
「こんなところに紅葉が、あれ、なんだ、君の手か」とか。【若妻賞】

混浴には、ドラマがあります。

「露天風呂に男女混浴クラス会」(横越秀乗さん)

「もうお互い、照れる歳じゃあるまいに」
と言いながら、しっかり意識して見ている人は必ずいます。【同窓賞】

                        中谷彰宏拝
P.S.
約束二つ。

1 君と行くときは、必ず二人で入れる旅館を選びます。
2 おじいさんおばあさんになっても、お風呂は一緒に入ります。