死に方は、生きているうちに自分で決める。
(金重哲三先生)
親愛なる君に

『それでも救急車を呼びますか 逝き方は生き方』(エピック社)という本を
著者の金重哲三さんというお医者さんからいただいて、早速読みました。
面白かった。というより、驚きました。
そして、考えさせられました。
アメリカでは、冷蔵庫に「いのちの小びん」というのを入れて置くそうです。
その中には、「もし、意識がないまま一週間以上続くようであれば、
それ以上の延命措置はしないでください」という事前指定書が入っています。
確かに、「いざということ」があった時には、本人はもう言えない状態なのです。
家族はといえば、「できる限りのことをしてください」と言うしかない。
その上、本人よりも、周りが動転しているので、
結局、自分の意志ではなく、お医者さんに決められることになりますよ
と、金重先生は、アドバイスしてくださいます。
死に方くらいは、本人が決めたいという割には、
具体的に何もしていないなと考えさせられました。
救急隊が見つけた時、冷蔵庫に「いのちの小びん」が入っているというのも、
アメリカっぽくて、しゃれています。
どういう状態になったら、延命措置を止めてもらうかは、
一人一人によって違います。
だからこそ、書いておかないといけないのです。
死に方は、死にそうになってから考えるのではなく、
生きているうちから、考えないといけないのです。
君は、「事前指定書」にどのように書き、誰に渡しておきますか?
死について話すことは、冷たいことではありません。
本の中の良寛和尚さんの言葉に感動しました。
「災難に逢う時節には 災難に逢うがよく候
 死ぬ時節には 死ぬがよく候
 是ハこれ、災難をのがるる妙法にて候」

                        中谷彰宏拝
P.S.
僕の「いのちの小びん」を、預かってくれる?