挨拶は、リズム感ですね。
(小堺一機さん)
親愛なる君に

知っている人に、たまたま道で会ったときに、
声をかけるのって、難しい。
とくに芸能人の知ってる人と出会って、挨拶するのは難しい。
結局、そのときは、挨拶できずに通り過ぎることもある。
家の近所を歩いていて、
小さな声で、「中谷さん、こんにちは」と、声をかけられた。
僕はそのとき、左手に本を持って、
右手には、スターバックスのアイスグランデラテを持って、
考えごとをして歩いていた。
つまり、ぼうっとして歩いていた。
声をかけられて顔を上げたら、最高の笑顔が、もう一度、会釈した。
小堺一機さんだった。
たまたま前日、『踊る!さんま御殿!!』で小堺さんを見たところだった。
その話をして、夏の『おすましでSHOW』にもうかがいます、
という話をして別れた。
これが、小堺さんの魅力だとわかった。
業界っぽく、「おはようございます」でもない。
大きな声でもない。
そして、あのリズム感。
「中谷さん、こんにちは」、目が合う、笑顔、会釈。
僕は、歩きながら、何度も練習した。
それを見た人は、きっと不気味だったろう。

                        中谷彰宏拝
P.S.
今度、そのときの小堺さんのモノマネを見せてあげるね。