イメージ通りも、イメージと違うのも、楽しい。
親愛なる君に

「実物が、本に書かれているのと同じイメージなので、
うれしかったです」と、よく言われます。
本ではどういうイメージで、実物はどういうイメージなのか、
わからないので、とりあえず、「ありがとうございます」と、お返事をします。
「イメージが違う」と言う人のほとんどは、
「お若いんですね」という理由が多い。
これだけたくさん書いているから、きっとおじいさんに違いないと、
思われているのでしょう。
作家と本のイメージは、微妙です。
読まれた方が、作品の中で「どの本」を読まれたかで、
まったく違ってきます。
たとえ同じ本を読んでも、読み方が違いますから、
「イメージ通り」と「イメージと違う」は、主観的な問題なのです。
イメージがいけないんではなくて、
イメージを広げて、ずれや予想的中を楽しむのがいいのですね。
「イメージ通り」でも、うれしいし、
「イメージと違う」というのも、楽しいのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
つきあいが、長くなればなるほど面白いというのを、
君がいちばん知ってるよね。