作家は、入院しても、無人島に漂流しても、退屈しない。
親愛なる君に

健康診断に行って、問診表を書くとき、
行き詰まった。
「一日のおしっこの回数」が、わからなかった。
水を健康のためにかなり飲むので、回数は多いはずだけど、
数えたことはなかった。
それで思い立って、ためしにメモしてみることにした。
さて、どうやってメモをすると、忘れないか。
表フェチは、ドキドキしはじめる。
75ミリ四方の正方形のポストイットをタテに8分の1、
ヨコに3分の1に折って、24時間のますめをつくり、
おしっこに行った時間をメモする。
こういう作業は、楽しい。
僕は、入院をしたことがなくて、きっと退屈だろうなと思っていたけど、
「自分のおしっこの回数と時間の傾向を調べる」みたいな研究テーマを
どんどん作れるから、意外に退屈しなさそうだ。
これで1冊、書けそうだ。
入院しても、投獄されても、
無人島に漂流しても、退屈しないだろうな。

                        中谷彰宏拝
P.S.
それを君に話すのも、大好きだ。