メッセージは、エンターテインメントが、もっとも伝わる。
(榛村重人先生)
親愛なる君に

『ヒポクラテスの孤島』(文芸社)というドキドキ小説を読みました。
バイオ・サスペンスと言うと難しい気がしますが、
『シックスデイ』と『バトル・ロワイヤル』のようなサスペンスです。
書かれたのは、榛村重人先生という眼科のお医者さんです。
榛村先生は、坪田一男先生に「一般の人たちが読む本を」とすすめられて、
書かれたそうです。
榛村先生は、移植の専門家なのですが、
伝えたいメッセージを難しい専門書として書くよりは、
誰もが読めるエンターテインメント小説にして、書いたのです。
メッセージは、楽しく、わかりやすく伝えるのが、
もっとも多くの人に伝わります。
僕も、そういう意識で、本を書いています。
アカデミックとエンターテインメントは、本来、相反するものではありません。
伝え方が、小説だから、メッセージが二流ということではありません。
小説なんか書いてるから、お医者さんとしては、二流ということでもありません。
アカデミックなメッセージを、エンターテインメントという方法を使って
伝達するのが、一番いいのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
愛のメッセージに、ギャグがあってもいいでしょ。