字を小さくしないのは、両親に読ませたいから。
親愛なる君に

「中谷さんの本は、字が大きいですね」
と、よく言われます。
けっして本文の字が大きいわけではないのですが、
大きく感じる工夫をしています。
けっして、小さくなりすぎないようにしています。
それは、うちの父親と母親が読めるようにしておきたいからです。
若者にとっては、字が少々小さくても、
何の苦にもなりませんが、
年配の方には、少しでも字が小さくなると、
かなり大変なことになるのです。
字が大きくて読めないことはありませんが、
字が小さいと、読みたくても、読めないのです。
僕は、実家にFAXを送るときでも、
ひと回り大きな字を書くようにしています。
親に何かを見せるときに、
読みにくそうにされるのが、僕がいちばんつらいことなのです。
「字が小さいなあ」と、言われないからこそ、より気を使うのです。
字を大きくしても、
メッセージが伝わるように、表現を工夫することに、
もっともエネルギーをさいています。
字が大きく感じるのは、そういう理由からなのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君のご両親も、読んでくれるのが、僕はうれしい。