汗腺の数は、子供のときに決まる。
(大阪の暑さ)
親愛なる君に

「異常な暑さですね」と、よく言われます。
「そうですね」と相づちをうちながら、「そうかなあ」
と僕は感じています。
ほとんど、クーラーのある部屋にいるからだけではありません。
子供の頃の大阪の暑さに比べれば、
東京は、涼しい気がします。
僕の子供の頃は、まだクーラーがありませんでした。
あっても、もったいないので、つけたり消したりしていました。
「除湿」は、ほとんどきかず、
「送風」となると、熱気が噴出してきました。
南向きのリビングの温度計は、38度でした。
満員電車で、風邪をひいて汗びっしょりの太ったサラリーマンに
抱きつかれているのと同じ状態でした。
大阪は、亜熱帯ではなく熱帯でした。
京都は、また内陸部特有の暑さがあります。
子供の頃に、汗腺の数が決まるといいます。
どうやら熱帯大阪で、僕の汗腺は、増えたようです。
でも、60度になる砂漠なんて、もっと凄いんだろうね。
母親から、電話がありました。
「今年は、しんどい」
それは、体の具合が悪いのではなくて、
外が暑いせいだから、大丈夫です。

                        中谷彰宏拝
P.S.
とにかく、水だけは、多めに飲んでください。