怪談って、あったかいんですね。
(稲川淳二さん)
親愛なる君に

稲川淳二さんの「ミステリーナイトツアー」に行ってきました。
怪談というものの考え方が、変わりました。
稲川さんの怪談は、やさしくて、あったかいんですね。
これが、ホラーと違うところです。
稲川さんの怪談は、ホラーじゃないんです。
ホラーは、「ポルターガイスト」のように外にエネルギーが向かうのに対して、
稲川さんの怪談は、内なる心に、静かに向かうのです。
「怖い話」というより、むしろ「不思議な話」です。
「どうだ、怖いだろ」と終わるのではなくて、
「こんなことって、あるんですね」と、そっと終わるのです。
だから、家に帰ってから、
お風呂で、頭を洗いながら、じわじわ思い出してしまうのです。
怪談って、超自然現象っていうけど、
実は、僕たちが忘れてしまった自然現象なのかもしれないですね。
風や雨や波や光と同じなんですね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
怪談を聞くときの、君も好きです。