名将は、負けた試合の後に、ファインプレーをほめる。
(ダイエー王貞治監督)
親愛なる君に

始球式が終わってから、高塚猛ホークス社長のオーナーズルームで
観戦させていただきました。
もちろん、ユニフォームのままです。
本当は、ユニフォームを着たまま、飛行機に乗って
東京に帰りたかったくらいです。
なんとか勝ってもらうことを、祈りました。
負けると、まるで自分が敗戦投手になったような責任を感じてしまいます。
結局、残念ながら、負けてしまいました。
「『私が、投げている間は、勝ってたんですが』って、思えばいいんですよ」
と、高塚さんは言いました。
スコアラーの部屋にも、入れていただきました。
試合終了後、王監督にも、紹介していただきました。
負けた試合の後に、会いにうかがうのは、かなり気がひけました。
でも、逆に、負けた後の空気の勉強になりました。
そんな状態なのに、王監督は、わざわざ目の前で、
ボールにサインをしてくださいました。
負けた試合の後の平常心に、あらためて感服しました。
「負けた試合の後にこそ、ファインプレーをほめる」といいます。
負けた試合こそ、本当のファンにとっては、
味わい深い試合なんでしょうね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
目の前、直筆サインボールを、見せてあげるね。