抵抗があるんじゃなくて、知らないだけなんだ。
(アイバンク)
親愛なる君に

僕は、博報堂時代、「アイバンクにご協力ください」という
公共広告を作ったことがあります。
でも、なんかしっくりしないものがありました。
篠崎尚史先生は、
「アイバンク活動は、宣伝ではなく、広報が大切なんですね」
と、おっしゃいました。
なるほど、その通りです。
実際に提供したご家族の方と、提供された方の言葉が、
もっとも大事なのです。
「角膜を提供すると、仏様の顔が、変わってしまうのではないか」
と、心配されている方もたくさんいます。
じつは、全くそんな心配はいらないのです。
奥さんが、亡くなられて、角膜を提供された方が、
こんな風におっしゃってました。
「妻の寝顔は、最後にいいことをしたと、幸せそうで、
安らかな寝顔でした。ありがとうございます」
その姿が、ありありと浮かんで、僕は、涙が出ました。
僕も、この方のお話を聞いて、初めて知りました。
「抵抗がある」んじゃなくて、「知らない」だけなのです。
もっともっと、こういうことを知りたいと思いました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
いい話は、もっとしよう。もっと聞こう。