タイトルやセットに、トリックもメッセージもある。
(『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』)
親愛なる君に

三谷幸喜さんの舞台『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』を、観てきました。
三谷さんのお芝居は、細部も面白いんだけど、
実は、いちばん大枠の設定がやっぱり斬新です。
舞台をずらすんですね。
舞台ではなく、舞台のそでだったり、
教会の一階席ではなく、二階席だったり。
このお芝居も、不思議なのは、
登場人物が出入りするのが、舞台上手からということです。
通常、お芝居では、人物の出入りは下手からなのですが、
もうこの段階から、三谷ワールドのトリックに引き込まれてしまっているのです。
三谷さんのお芝居には、トリックがたくさん仕掛けられています。
小道具だけでなく、タイトルもそうです。
半分以上の人が『グッド・ニュース☆バッド・タイミング』と言ってました。
喜劇にメッセージはいらないというのが、三谷さんのポリシーですが、
タイトルが、実はメッセージになっているのです。
劇中で、一瞬、エレベーターが開いて出てくる時の三谷さんの
演技プランが最高でした。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君が見逃している三谷さんのお芝居のビデオを、一緒に見よう。