歌は、腐った官僚主義と戦うために生まれる。
(『異国の丘』)
親愛なる君に

劇団四季のミュージカル『異国の丘』を観てきました。
戦争とミュージカルというのは、かけ離れているようですが、
実は、密接なつながりがあるのです。
終戦後11年間も、シベリアでは日本人の戦争が続いていたのです。
文書は没収されるので、遺言をみんなで覚える場面には感動しました。
それが、自然に歌になっていくのです。
寒さと飢えと強制労働に耐えるために、吉田正さんが作った歌を
復員兵士が、NHKののど自慢で歌って、
楽譜もないので、伴奏の人が、2番から合わせて弾いた話。
戦争で、もっとも悲惨なのは、敵を間違えることです。
敵は、相手国でも、同志でもなく、腐った官僚主義なのです。
敵を間違えて、相手国の友人や、味方同士が争うことほど、
悲惨なことはないのです。
そして歌は、どんな時代でも、腐った官僚主義と戦うために生まれるのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
パンフレットを真剣に読む君も、好きだよ。