展覧会は、展示の仕方よりも、隠され方を楽しもう。
(「横尾忠則作 暗夜光路」展)
親愛なる君に

原美術館の、横尾忠則さんの美術展に行ってきました。
展示の仕方に驚かされました。
「こういうのも、ありなんだな」と、「こういうのが、本当は楽しいよね」と、
同時に感じました。
たとえば、涅槃ポーズの彫刻の収集が面白かった。
それが、仏像だけじゃないんです。
子供向けのキャラクターやぬいぐるみやエッチなのが、
仏像に交じって置かれているのです。
しかも、それが、物置のような屋根裏部屋にごちゃっと隠されているんです。
見に来た人の2人に1人は、「えっ、そんな展示あったっけ?」
と見逃したに違いありません。
展示ではなく、隠されてこそ、コレクションなのです。
子供は、きっとそうして、大好きなものを自分の大切な隠し場所に
隠すに違いありません。
展示の仕方ではなく、隠し方に、横尾さんの愛着を感じました。
5人に1人は、掃除道具入れを開けて、
「うーん、なるほど」と、うなずいていました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
原美術館に、お茶でも飲みに行こう。