いきってないところが、凄い。
(横尾忠則さん講演会)
親愛なる君に

原美術館での展覧会で、横尾忠則さんの生講演もうかがいました。
現代美術のアーティストというと、とんがっていて、
「いきってる」(関西弁で力が入ってるという意味)人が多いんですけど、
横尾さんは、いきってないんですね。
ほっと、させられるんです。
これが、横尾さんの凄みですね。
「テーマなんか考えないで、とにかく描いてみる」
「完成させようなんて、がんばらない」
横尾さんは、境目を取っ払ってるんですね。
力を抜くということは、
境目を取っ払うということなんですね。
今回の展覧会は「三叉路」という面白いテーマなんだけど、
「右か左か」というヨーロッパ的なテーマではなくて、
「まあ、どっちでも、かまへんやん」という関西人的力の抜けさかげん
を、僕は感じました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
力が抜けてる時の、君も好きだよ。