肉筆は、エッチだ。
(『郵便少年 横尾忠則』)
親愛なる君に

横尾忠則さんあての200人以上の有名人のハガキを集めた
『郵便少年 横尾忠則』という画集が、迫力がありました。
横尾さんは、画家になるか、郵便屋さんになるか迷ったくらい、
郵便フェチだそうです。
なによりも、印刷ではなく「肉筆」というのが、迫力があります。
考えてみると、「肉筆」の「肉」って、エッチですね。
「直筆」より、「生筆」な感じがします。
たとえば、井上陽水さんからのハガキは、こんな感じです。
「横尾様の“髪”が
好きなんですけど、
御本人にしてみれば
それはそれで、もて余す
ところもあるんでしょう
ねェ。    井上陽水」
この短い文章を、お茶を三回くらい飲みながら書いたと
いうのが、改行で伝わります。
「生ハガキ」は、「肉声」であり、「肉眼」であり、「肉弾」なんですね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
「肉筆」で、君にラブレターを書きたくなりました。
お楽しみに。