女性は、両方求めている。
(『ジキル&ハイド』)
親愛なる君に

鹿賀丈史さんのミュージカル、『ジキル&ハイド』を観てきました。
前世は、「100年前のイギリスで、ペンネームをいくつも使い分けて、
新聞小説を書いていた流行作家」と言われた僕としては、
非常に関心のある作品です。
西欧人は、善vs.悪とみるのですが、なあなあな東洋人は、
善と悪に境目をつけません。
「そら、そういうことも、あるやろ」と解釈するのです。
邦題は、『ジキルとハイド』ではなく、『ジキルでハイド』なのです。
そういえば、『美女で野獣』というタイトルも、笑いました。
鹿賀丈史さんは、楽屋から歩いてきて、そでで止まらないで、
そのまま舞台に出るそうです。
それくらい、変身にキッカケなんていらないのです。
役者・鹿賀さん自身が、『ジキルでハイド』なんです。
ラストに、ハイドが、恋人の名前を3回呼びます。
「エマ……エマ……エマ」
1度目は、ハイドで。そして、3度目は、ジキルで。
女性からすると、どれがいいちばんいいか。
もちろん、いろんな呼び方をされるのが、いいのです。
『ジキル&ハイド』で、物語を書きたくなりました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
出会った頃は、多かったハイドが、最近お休みね、
と言われないように、がんばります。