バカにして笑ってるものは、本当は欲しいものだ。
(マイボール)
親愛なる君に

とうとうボウリングのマイボールを作ってしまった。
子供の頃、ボウリング少年だった頃にも、マイボールを持ったことがなかった。
「マイボール?」って、バカにしながら、内心、あこがれていたに違いない。
指に合わせて穴を開けてくれる職人さんは、優しかった。
練習しながら、できあがりを待った。
職人さんが、できあがったボールをもって、現れた。
「ちょっと、投げてみてください」
これは、緊張した。
ハウスボールとマイボールでは、ボールの持ち方が違う。
ハウスボールは、指の第2関節まで入れるけど、
マイボールは、第1関節までしか入れない。
その分、回転がつけやすいけど、慣れないと難しい。
(なんだ、こんな力量で、マイボールを作るなんて、10年早い)
って、思われたら、どうしようってハラハラしながら、投げた。
すると、見事に取れた。
ハイスコアを出した時と同じくらい、うれしかった。
バカにして笑っているものは、本当は、欲しいものなんだとわかった。

                        中谷彰宏拝
P.S.
今度、君のマイボールもプレゼントするね。