一生懸命な人のために、僕は書いている。
(『面接の達人』)
親愛なる君に

『面接の達人』は、毎年、かなり書き直しています。
スピリッツは、一貫して、変わりません。
みんなが自分勝手に読み間違いやすいところを、
間違った方向に行かないように、書き直しているのです。
「メンタツは、もっと、ページ数を減らしてほしい」と言う人がいます。
本を読むのが嫌いな人です。
これほど、エッセンスに凝縮している本はないのです。
「もっと、いい紙を使ってほしい」と言う人もいます。
メンタツは、実はかなり値段の高い紙を使っています。
「持ち歩けるように、もっと、薄く小さくしてほしい」
こういう人は、文庫本ですら、かばんに入っていません。
メンタツは、本が好きな人のために書いたので、
本を嫌いな人は、読まなくていい、とまでは言いません。
本が苦手な人でも、読めるようにしたいと思っています。
でも、少なくとも、一生懸命な人のために、僕は書いています。
これは、『メンタツ』だけではなく、
僕のすべての本に共通する考え方です。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君は、僕の本を読むうちに、
一生懸命さが増したようだね。