21年前から、僕は「表参道」に住んでいた。
(井の頭公園)
親愛なる君に

僕は、毎年、お花見のしめは、
井の頭公園に行きます。
井の頭公園の桜は、都内でも最後のほうに咲きます。
21歳の頃、僕は井の頭公園に住んでいました。
予備校の寮を出て、東京で初めて一人暮らしをしたのが、
井の頭公園だったのです。
お花見のついでに、21歳の頃に住んでいたマンションを見に行きます。
すると、必ず何かの発見があります。
僕の住んでいたマンションの真横に鳥居がありました。
マンション名も、その名の通り「黒門ハイツ」でした。
そこに、碑が建っているのを発見しました。
「弁財天表参道」と書かれていました。
「弁財天」は、芸能の神様です。
そして、黒い鳥居は、弁財天へ続く参道の入り口になっていました。
僕は、21歳の時から「表参道」に住んでいたのです。
それから11年後、僕は南青山の「表参道」に住むことになるとは、
その頃は、考えてもいませんでした。
井の頭公園の「表参道」に住んでから、
満21年がすぎ、まもなく22年目になろうとしています。

                        中谷彰宏拝
P.S.
10年後は、どこに住んでいるだろうね。