予備校から会社まで、神様の川に導かれた。
(神田川)
親愛なる君に

吉祥寺の次に住んだのは、
高田馬場でした。
ただ大学の近くに引っ越したわけではないことが、わかりました。
弁天様は、川の神様です。
吉祥寺から、神田川に沿って、下ったのです。
高田馬場は、神田川の下流に当たるのです。
フォークソングで育った僕たちの世代にとって、
「神田川」は、青春の歌でした。
僕が東京に来て初めての街は、
御茶ノ水でした。
御茶ノ水の聖橋から、レモンを投げ込んだのも、
神田川でした。
神田川は、吉祥寺・高田馬場・御茶ノ水と流れています。
つまり僕は、予備校から大学にかけて、
鮭のように、神田川を上って、下ったわけです。
そして、大学を卒業して就職した博報堂は、
「神田」錦町にありました。
神田川は、僕にとって、まさに神様の川でした。

                        中谷彰宏拝
P.S.
今度、地図を持って、一緒にたどってみよう。