主人公は、欠点があるほうが面白い。
(宝塚版『風と共に去りぬ』)
親愛なる君に

湖月わたるさんがアシュレー役で出ている
宝塚の『風と共に去りぬ』を観てきました。
この話は、面白い話なんだと、
改めて見直して、感じました。
男2人、女2人という構成は、
『ベルサイユのばら』に似ていますが、
実は、まったく違う構造の物語です。
主人公のスカーレットが、性格的には、
バランスを欠いている女性なのです。
もしろ、悪役と言っていいくらいの性格なのです。
レッド・バトラーも、清濁あわせ飲むという、いわば悪役です。
強気に見えるバトラーも、実は、もろさを持っていることがわかる。
アシュレーも、完璧のように見えて、
最後は、精神のバランスを崩してしまう。
4人のメインの登場人物の中で、
完璧でありつづけるのは、メラニーただ1人なのです。
このお話は、一見、
スカーレットvs.メラニー、レッド・バトラーvs.アシュレーに見えますが、
実は、神様の視点であるメラニーと、
人間的なスカーレット、レッド・バトラー、アシュレーの物語なのです。
その証拠に、
3人の名前だけが「深紅」「赤」「灰」という色をつけられていることからも、
わかるのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
今度は映画の『風と共に去りぬ』を一緒に見直してみよう。