本の余白は、君がバトンを受け継いで、書く部分だ。
親愛なる君に

「ネタ切れに、ならないんですか?」
という質問を、よく受けます。
このペースで行くと、80歳になる前に
3000冊に達しますが、現時点ですでに
3000冊分以上のネタが、あります。
だから、ネタを仕入れる作業というより、
どのネタを断念するかという作業をしなければならないのです。
それが、職業作家というものだと思います。
職業作家とは、それで食べている人ではありません。
生涯に書ける量は限られているので、
いかに書くことを断念して、選べるかというのが、職業作家なのです。
それは、喜びでもあり、苦痛でもあります。
人一倍書くのが好きなのに、
死ぬまでに書ききれなくて、一部を断念せざるを得ないのです。
僕が書けなかった部分は、
後世の人が、書きつづけてくれるだろうと思います。
僕は、その人にバトンを託します。
僕の本にある余白は、
後世の人が、書き足す部分なのです。
これが、僕の本に余白がある理由です。

                        中谷彰宏拝
P.S.
僕のバトンを、受け継いでください。