スポーツは、小説よりドラマチックだ。
(中嶋常幸プロ)
親愛なる君に

僕は、スポーツ新聞も大好きです。
秘書室を含めると、新聞を7紙とって読んでますが、
いちばん最初に読むのは、スポーツ新聞です。
その中でも、まずイチロー選手の昨日の打席をきっちり読み込みます。
写真や映像よりも、文章が好きです。

サッカーのワールドカップの記事が一面のある日、
僕が感動した2つの記事がありました。
男子ゴルフツアーダ、イヤモンドカップで、
中嶋常幸プロが、ツアー169試合ぶりに優勝という記事です。
それまで45勝もしている選手が、168試合も勝てなくなるのです。
クラブがパーシモンからメタルに変化し、
それによってフォームが変わり、フォームの変化で肩や腰を痛め、
4度も賞金王だったトッププレイヤーが、116位まで下がったのです。
視力手術をし、肉体も鍛え、名前の字も変え、
クラブのスポンサー契約も解除してクラブを研究して、あらゆる努力をした。
それは、復活ではなく、「新生」というべきです。

その同じ日、こんな記録もありました。
女子ゴルフツアー、廣済堂レディースで、
藤野オリエ選手が最終日11打差を逆転優勝。
これは、アメリカのツアーにもない世界新記録です。
この時、僕は追いつかれて
プレーオフで破れた木村敏美選手に感情移入したのです。
ここで破れることによって、
木村敏美選手の、大きなドラマが始まったと。
くしくも同じ日に、もう一人、中嶋常幸選手が生まれていたのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
新聞の小さな記事を真剣に読んでいる時の君も、
好きです。