責任感ある遊び人が、本物だ。
(奥田瑛二さん)
親愛なる君に

奥田瑛二さんの初監督作品『少女』が、
パリ映画祭でグランプリをとりました。
初監督作品が、海外の映画祭でグランプリを受賞するというのは、
大変なことです。
「初監督」と言われているけど、
これまでも、奥田さんは俳優として出演している時から、
常に監督的立場で、作品全体を考えていたに違いありません。
監督をするには、監督的視点が必要になるのです。
これは、役者的視点と、まったく違うものなのです。
役者をしながら、監督的視点を持てる数少ない人が、
奥田瑛二さんであり、北野武さんなのです。
今度は、監督をしながら、その作品の主役をするというのも、
なかなか大変なことです。
好き勝手やれていいなと思うのは、素人発想です。
監督をする時は、監督だけをしたほうが、簡単なのです。
奥田さんは、「観客から1円でもお金をとって見せるというのは、
大変な責任をともなうんだ」ということを、前に話してくれました。
たとえば、「さんざん女遊びもするけど、
遊んだことに対する責任は、すべてとる」にも似た潔さを感じました。
奥田瑛二さん、前にうかがった次作の変質者の役、
台本なしでも、お待ちしています。

                        中谷彰宏拝
P.S.
きっと映画館でまた公開されるだろうから、一緒に観に行こう。