クラス替えは、転校と同じだった。
(稲本潤一選手)
親愛なる君に

ミラクルMFの稲本潤一選手が、
僕と同じ中学の出身であることがわかった。
だからどうと言うことはないんだけど、
なんだかうれしいよね。
これまで、僕の中学の卒業生で、
スポーツ界で有名になったのは、
相撲の佐田の海関しか知らない。
ワールドカップを見るために、
授業を早く切り上げるそうだ。
新聞で見て、それよりも驚いたのは、
全校生徒の数だった。
498人。「ああ、誤植だな」と感じた。
なぜなら、僕のいた頃は、3000人だったからだ。
僕の学年は、16クラス。1年下は、17クラス。
2年下は、33クラスだった。
いや、誤植ではなく、
30年もたつと、ひょっとしたら、少子化でかわっているかもしれない。
1学年4クラスでは、クラス替えをしても、大して変わらない。
1学年33クラスあると、同じクラスになる期待値は、1.36人。
1は自分だから、45人中0.36人。
クラス替えは、転校に等しいのだ。
同じ学校でありながら、転校生の気分も味わえて、
今から思えば、それはそれで楽しかった。

                        中谷彰宏拝
P.S.
新聞で、自分の学校の名前が出るのは、ちょっとうれしい。