本物以上の力があるから、パロディができる。
(『トロカデロ バレエ団』)
親愛なる君に

ボウリングの試合を終えて、急いで家に帰って、
森島選手のゴールに、間に合いました。
試合が終わると、今度は、『トロカデロ・デ・モンテカルロ バレエ団』の公演に
ダッシュしました。
影アナウンスが、まず笑わせてくれました。
「ワールドカップで盛り上がる中、こんなところに来ている少数派のみなさん……」
確かに、サッカーとはまったく関係なく盛り上がっている熱い世界が、
そこにありました。
「歓声は遠慮なくおかけください。
『稲本行け』でも、『ゴンを出せ』でも、いいです」
と、バレエの影アナとは思えないコメントで
笑わせてくれました。
幕が上がると、いきなりチュチュを着たバレリーナが、
サッカーボールを蹴りながら、ステージを横切りました。
これが、『トロカデロ』なんですね。
『トロックス』は、男性バレエダンサーが女装で
コミカルにパロディをするのです。
本物以上の力量があるからこそ、パロディができるのです。
華麗なスピンを決めたあと、クラッと目が回った芝居ができるのです。
最後は、バレエダンサーによるサルサで驚かされて終わりかと思ったら、
なんとアンコールで、花笠音頭まで踊ってくれました。
チュチュを着た花笠音頭は、キレがよかった。

                        中谷彰宏拝
P.S.
この日は、ボウリングの個人レッスン⇒ボウリングの試合⇒
サッカーの応援⇒トロカデロ⇒銀座クラブ、
と忙しく、それからデートに出かけました。
僕のほうが、トロカデロですね。