中華の回転テーブルには、ドラマがある。
(『フォーチュン・クッキー』)
親愛なる君に

湖月わたるさんの出演するミュージカル
『フォーチュン・クッキー』を観てきました。
宝塚の現役男役のわたる君が、
女優として女性役を演ずるというのも楽しい。
宝塚を辞めてから女優をするというのは多いけど、
現役の男役の間にするのがいいよね。
舞台全体が、中華料理店の赤い回転テーブルのように
くるくる回る趣向が楽しい。
中華の回転テーブルって、こうしてみると、
演劇的な小道具だったことに気づきます。
中華の回転テーブルって、
料理を取ろうとして回す時って、ちょっと気を使うんだよね。
それがもう、演劇的空間なんですね。
カンフーとダンスは、中国では切れない関係にあります。
狭い中華テーブルの上で、ひしめきあうようにジャッキー・チェンばりに
ダンスを踊るところは、大きな宝塚劇場とは違った緊迫感を感じました。
なにしろ、わたる君、174センチ、日向薫さん、175センチですからね。
わたる君の、女優もなかなか良かった。
まじめな弟役の畠中洋さんが、リアクションの大きな松尾伴内さん、
中国人の支配人役の内田紳一郎さんが、ラサール石井さんに見えて、
噴き出してしまった。
二枚目は、アドリブをするのが難しいのに、
鈴木綜馬さんのするアドリブは、ナチュラルで受けた。

                        中谷彰宏拝
P.S.
また、わたる君が最前列のど真ん中に僕を座らせたので、
僕は負けじと、わたる君から目をそらさないようにしてました。
前回のディナーショウでは、うつむいてしまったから。