ライト兄弟は、自転車屋さんだった。
親愛なる君に

僕の母親の実家は、淡路島で自転車屋さんをしていました。
スタッフが20人以上いたというから、大きな自転車屋さんです。
来年は、ライト兄弟が、人類史上初めて空を飛んで、100年目になります。
ライト兄弟も、自転車屋さんだったということで、
親近感がわきます。
ライト兄弟は、数学者であり、科学者であり、自転車屋さんであり、
設計者であり、整備士であり、スポーツ選手であり、操縦士でした。
つまり、「アイデアを思いついたから、誰かつくって」とか、
「飛行機をつくったから、誰かテストパイロットになって」と、
人任せにしないで、自分でやったところが凄いのです。
ライト兄弟は、無限のテストを重ねて、
ひとつひとつ問題点を解決していきました。
最初のテスト飛行は、12秒間で、36メートル飛びました。
同じ日に、数回実験しているので、時間と距離は記録によってまちまちです。
いずれにしても、たったそれだけか、と考えるのは間違いです。
その36メートルから、今では人間を乗せて、
38万キロの彼方の月へも、飛べるのです。
僕にも、ライト兄弟と同じ、自転車屋さんの血が流れているのが、
なんとなくうれしいですね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
自転車が好きな、君も好きです。