一晩寝てからうなされる面白さが、ある。
(『カンコンキンシアター』)
親愛なる君に

お芝居は、激辛カレーのようなものです。
辛さが、あとからジンジンしてきます。
関根勤さんのカンコンキンシアター『クドい!』に、今年も行ってきました。
『クドい!』の面白さには、3種類あります。

1.見た瞬間面白いもの。
2.帰り道で、思い出して面白いもの。
3.夜ベッドに入ってから、悪夢にうなされるように、
  汗びっしょりかいたあと、面白いもの。

「激辛って言ってたけど、意外に甘いじゃん」と言ってると、
ヒリヒリあとからしてくるようなのが、『クドい!』の面白さなんですね。
だから、クセになるんですね。
「くだらねー」と油断していると、とりかえしのつかないことになります。
まさに、北斗の拳の七年殺しの技です。
今回で言うと、関根さんの荒俣宏さんのモノマネは、
帰り道で思い出して面白いもので、
夜、じわじわうなされたのが、
『新幹線大爆破』の宇津井健さんと千葉真一さんのやり取りのモノマネでした。
ラッキィ池田さんの「ワールドカップで、裸で道頓堀川に飛び込んだものの、
上がってきたら服を盗られて、カウボーイハットだけかぶって、
股間を両手で隠して、ウロウロする男」も、うなされました。
ついでに、はたして、手だけで股間は隠せるものか、試してみました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
僕の本も、読んでしばらくしてから、じわじわうなされてくるような
本にしたいです。