二人が、見えない相手と話す緊張感が楽しい。
(イッセー尾形さん&桃井かおりさん二人芝居2002夏)
親愛なる君に

イッセー尾形さんと桃井かおりさんの『二人芝居2002年真夏の新作』
を観てきました。
イッセーさんの二人芝居って、普通の二人芝居と違うんですね。
4本のオムニバスの中で、冒頭の「プロレスラーの不倫旅行」で、
イッセーさんの二人芝居と普通の二人芝居の違いを見せつけられました。
普通の二人芝居は、登場人物が二人のお芝居なのです。
ところが、「プロレスラーの不倫旅行」では、
愛人のプロレスラーと奥さんとダンナの、3人が登場するのです。
そして、レスラーとダンナ、奥さんとダンナが、
それぞれ会話をするのです。
イッセーさんのお芝居の面白さは、見えない登場人物の芝居です。
見える役者がたとえ舞台に二人出ていたとしても、
見える役者同士の会話でないところが、イッセーワールドなのです。
奥さんが、詩の朗読を始めた時、
レスラーが、近寄ってくる子供を追い払うしぐさに、やられました。
桃井さんは、豚のお面をつけても、本物の髪とお面がなじんで、
さすがの存在感でした。
お面をつけた時に、存在感って、出ますね。
普通、お芝居はどういう設定であるかを最初に説明してしまいますが、
イッセーさんのお芝居は、設定がだんだんわかってくる面白さがあります。
だから、観客はじらされて疲れるので、
観る前には、食事をとるより、仮眠をとって観に行くのが正解です。

                        中谷彰宏拝
P.S.
イッセーさんのお芝居は、いつもロビーの雰囲気が楽しいです。
今回は、棒アイス食べ放題サービスつきでした。