量産作家ほど、実はいろんな作品にチャレンジしている。
(井狩春男さん)
親愛なる君に

「中谷さんの本は、たくさん売れているはずなのに、
ベスト10の中に、どうして入っていないのですか?」
という問い合わせを、よくいただきます。
ご心配ありがとうございます。大丈夫です。
よく売れています、というより、よく買って読んでいただいています。
これについて、ベストセラーの神様、井狩春男さんが、
週刊ダイヤモンドの「これは売れる」で、わかりやすく説明してくださいました。

〈赤川本は、そういうことで安定して売れつづけるのだが、
新刊の点数の多さから、一冊だけ抜き出てベストセラーになる
ということはほとんど考えられない。(中略)
出版社や著者にしてみると、残念に思うこともあるだろう。
いいものを書いた、出したつもりでも、ベストセラーになってくれないのだから。
これは、ほかの量産している作家にもいえることなのだ。
でも、必ず売れるのだからイイじゃないですか〉

はげまし、ありがとうございます。
僕は、短期的なベストセラーより、
長期的なロングセラーでありたいと思っています。
井狩さんの分析の裏には、もうひとつのメッセージが隠されています。
量産作家でも、実はよく見ると、
幅を広げる意欲作やチャレンジ作品があるということを、
井狩さんは見抜いているということなのです。
「量産作家」イコール「お約束の作品」ではないということを、
本が読める人は、よく知っているのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
新しい本が出ると、「これは、中谷ベスト5に入る」
と、いつも言ってくれる君が好きです。