簡単そうなことの難しさを伝えることが、解説だ。
(ドリームボウル2)
親愛なる君に

やりたいことは、「やりたい、やりたい」って、言ってみるもんですね。
とうとう、ボウリング番組のゲスト解説をさせていただきました。
しかも、2大トーナメントのひとつ、「ドリームボウル」です。
もちろん、技術的な解説は、偉そうなことはひとつも言えません。
教え方がうまいと評判の半井(なからい)清プロに、
技術的なアドバイスを、レッスン生のように聞けるのも、楽しかった。
毎月、200ゲームをするボウリングファンとして、
一投一投の気持ちの話をしました。
テレビを見ている人には、簡単そうに見えます。
でも、僕は、簡単そうに見える1本のスペアをこの局面でとることが、
いかに難しいかを、メンタルな側から話しました。
簡単そうなことの難しさがわかることが、
楽しめるということなのです。
テレビを見ている人に、現場で見ているギャラリーと同じ空気を吸ってほしかった。
100万回、正確にとってきた1本のスペアを、
世界のトッププロが、3回続けてミスする緊張感。
ギャラリーは、豪快なストライクよりも、
1本のスペアに、より盛大な拍手を送ります。
そのほうが、大変だということが、よくわかるからです。
それは、自分も同じミスをしているからです。
特に、今回のギャラリーほど、レベルの高いギャラリーはいません。
試合の終わった日本やアメリカのプロボウラーが、半分は占めているくらいでした。
自分の隣で、トッププロが観戦しているのです。
観客席すべてが、放送席状態でした。

                        中谷彰宏拝
P.S.
お昼ご飯の時は、アメリカNo.1のパーカー・ボーン三世が、
レジの列に一緒に並んでるし、
トイレで、ダニー・ワイズマンやボブ・ラーン・ジュニアと
隣り合わせになるという凄い4日間でした。