さだまさしさんは、休符で歌っている。
(『北の国から』)
親愛なる君に

さだまさしさんの「コンサート3000回記念コンサート」を、
WOWOWで見ました。
「3000回歌ったということが凄いのではなくて、
3000回聴きにきたということのほうが凄いのです。
これは、みなさんの記録です」
という冒頭のセリフから、もう、さだワールドに引き込まれました。
さださんの歌は、聴き返すたびに、
「あっ、実はこの詞は、こういう意味だったんだ」という発見があります。
一見、簡単そうな『北の国から』は、
さださんでしか歌えない難しい歌だということが、わかりました。
休符に入る手前に、実に余韻があるのです。
むしろ、休符に歌っているといっていいほどです。
途中で、気づきました。
さださんは、オーケストラに合わせて歌っているのではなくて、
オーケストラは、さださんのスキャットに合わせて演奏している。
僕は、テレビに向かって言いました。
「カメラマンさん、コンダクターを映して」
すると、まるで聞こえたかのように、コンダクターが映りました。
しかも、さださんとのツーショット。
これで、二人が息を合わせているのが、わかりました。
そして、聴いている一人一人のお客さんとも、
呼吸を合わせて、さださんは、歌っていることを、発見しました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
もう一度、一緒にビデオを見直してみよう。