ダンスとボウリングのおかげで、マラソンが速くなった。
(アイバンク皇居マラソン3)
親愛なる君に

坪田先生は、「ドーピングなんでもアリ」で臨んでいました。
「ここで、中谷さんに勝っておくと
1年間、気持ちがいいので、アンタイエージング的には、なんでもアリでいいのです」
という、坪田先生の解釈はさすがでした。
さて、どこで、坪田先生がラストスパートをかけてくるか。
余力を残しながら、上るのも、なかなか大変なことです。
後ろに坪田先生につかれるパターンは、去年と同じでした。
僕は、「がんばってください」という沿道のスタッフに、
「ありがとうございます。ごくろうさまです」と、返事をしました。
「まだ、余力があるぞ」と、坪田先生に、プレッシャーをかける心理作戦でした。
ラスト千鳥ヶ渕公園400メートルの直線。
ここが、実は長いのです。
「男子5キロ、2名の選手が、まもなくゴールします」
というアナウンスが聞こえました。
先にスパートをかけたら、追い返す余力がなくなる……。
抜かれたら、追い返す余力を残しながら、
徐々に、僕は、スパートをかけました。
最後まで、坪田先生につかまらず、ゴール。
タイムは、予定の27分を切る26分42秒。18位。
昨年のタイムを、2分51秒、縮めました。
僕の後ろから来た選手は、メガネをかけていたけれども、
坪田先生ではありませんでした。
坪田先生は、3キロ地点の挑発スパートで、自滅していました。
スタッフへの返事作戦は、意味がなかったのです。
坪田先生、ゴール。28分43秒。
昨年の40秒差を、2分差でお返ししました。
「中谷さんが、腕時計を見ながら、
『よし、予定通り』と、うなずいているのが、プレッシャーになりました」
それは、意識していませんでした。
「中谷さん、走ってたでしょう」と、
坪田先生の秘書の宇治さんにも言われましたが、
この1年間に、1回の下見しか走っていません。
たぶん、ダンスで足腰、ボウリングで精神力を鍛えたおかげでした。
職業ランナーでない僕たちは、
ランニング以外で、いかにランニング力を鍛えるかが大切なのです。
僕は、これで、自己記録更新と、坪田先生に勝つという、
2つの目標を果たしました。
さて、僕はアンタイエイジング的に、気持ちのいい1年になります。

                        中谷彰宏拝
P.S.
これで、坪田先生と1勝1敗。
さっそく、来年が始まります。
ライニング以外で、いかに鍛えるかが、勝負です。